「ダンベルプレスで片手30kg挙がるようになったけど、これってベンチプレスだと何kgなんだろう?」
ジムに通っている人なら、一度はこんな疑問を持ったことがあるんじゃないでしょうか。ダンベルプレスとベンチプレス、どちらも胸を鍛える代表的な種目ですが、扱う重量にはけっこうな差があります。
この記事では、ダンベルプレスからベンチプレスの重量を換算する具体的な計算式や早見表、そして換算するときに気をつけたいポイントまで、まるっとお伝えしていきます。自分の実力を客観的に知りたい人や、ベンチプレスデビューを考えている人はぜひ参考にしてください。
ダンベルプレスとベンチプレスの重量が違う理由
まず大前提として、ダンベルプレスとベンチプレスでは同じ「プレス動作」でも使う筋肉や動作の安定性が結構違います。
ダンベルプレスは左右独立して動くため、バランスをとるために小さな安定筋が総動員されます。そのぶん大胸筋に集中させる力が分散しがちです。一方、ベンチプレスはバーベルで左右が固定されているので、安定性が高く、メインの胸や三頭筋にガッツリ負荷を乗せられる。
この「安定性の差」があるからこそ、ダンベルプレスの重量をそのまま2倍にしてもベンチプレスの重量にはならないんです。一般的には、ダンベルプレスの重量を2倍してさらに4〜5割増しにしたくらいがベンチプレスの重量になる、と言われています。
ダンベルプレスをベンチプレスに換算する計算式
ネット上にはいろんな換算式が存在しますが、ここでは複数の情報源で共通して使われている信頼性の高い計算式を紹介します。
同回数で換算する方法
同じ回数だけ挙げられる前提での換算式はこちら。
ベンチプレス重量 = ダンベルプレス片手の重量 × 2.4
たとえば、ダンベルプレスで片手25kgを10回挙げられるなら、25×2.4でベンチプレスだと約60kgを10回挙げられる計算になります。「思ったより軽いな」と感じるかもしれませんが、実際に試してみるとこのくらいの数字に落ち着く人が多いです。
ダンベルプレス10RMからベンチプレスMAXを推定する方法
筋トレ上級者のあいだでよく使われているのが、10回限界の重量から1回の最大挙上重量、いわゆる1RMを推定する方法です。
ベンチプレスMAX重量 = ダンベルプレス片手の10RM重量 × 3
たとえば、ダンベルプレス片手30kgで10回が限界なら、ベンチプレスのMAXは約90kgと推定されます。これ、実際にパーソナルトレーナーの現場でも簡易的な目安として使われることがあるんですよ。
より正確に出したいならオコナー式
「もっと厳密に知りたい」という人には、1RM推定で広く使われているオコナー式がおすすめです。
1RM = 使用重量 × 回数 ÷ 40 + 使用重量
ダンベルプレスの片手重量をこの式に当てはめて、そこからベンチプレスとの関係を導き出すこともできます。たとえば片手20kgで8回できたなら、20×8÷40+20でダンベルプレス片手の1RMは24kg。これを2.4倍してベンチプレスのMAXは約57.6kgという流れです。
ただし、ここで注意してほしいのは、2〜8回のデータが一番信頼性が高くて、15回以上の高回数や1回だけの計測だと誤差が大きくなりがちということ。正確な数字を知りたいなら、適度な回数で測るのがポイントです。
ダンベルプレス換算の早見表
いちいち計算するのが面倒な人のために、ダンベルプレス片手重量から換算したベンチプレスの目安をまとめました。ここでは代表的な「同回数換算」と「10RMからのMAX推定」の両方を併記します。
片手10kg〜20kg(初心者〜初級者向け)
- 片手10kgの場合:同回数換算でベンチプレス約24kg。10RMからのMAX推定では約30kg。
- 片手12.5kgの場合:同回数換算で約30kg。MAX推定では約37.5kg。
- 片手15kgの場合:同回数換算で約36kg。MAX推定では約45kg。
- 片手17.5kgの場合:同回数換算で約42kg。MAX推定では約52.5kg。
- 片手20kgの場合:同回数換算で約48kg。MAX推定では約60kg。
片手22.5kg〜30kg(中級者向け)
- 片手22.5kgの場合:同回数換算で約54kg。MAX推定では約67.5kg。
- 片手25kgの場合:同回数換算で約60kg。MAX推定では約75kg。
- 片手27.5kgの場合:同回数換算で約66kg。MAX推定では約82.5kg。
- 片手30kgの場合:同回数換算で約72kg。MAX推定では約90kg。
片手32.5kg〜40kg(上級者向け)
- 片手32.5kgの場合:同回数換算で約78kg。MAX推定では約97.5kg。
- 片手35kgの場合:同回数換算で約84kg。MAX推定では約105kg。
- 片手37.5kgの場合:同回数換算で約90kg。MAX推定では約112.5kg。
- 片手40kgの場合:同回数換算で約96kg。MAX推定では約120kg。
ここにある重量はあくまで目安です。フォームの習熟度や神経系の発達度合いによって、実際の数値は前後します。「思ったよりベンチプレスが重く感じた」「逆に軽々挙げられた」というのもよくある話なので、一つの参考として捉えてください。
換算表を使うときに気をつけるべき3つの落とし穴
換算表は便利ですが、使い方を間違えると危険です。安全にトレーニングするために、以下の3点は必ず意識しておきましょう。
落とし穴1:可動域の差を無視していないか?
ダンベルプレスはダンベルを胸より深く下ろせるため、可動域が広くなりがちです。逆にベンチプレスはバーが胸に当たった時点で止まるので可動域が少し狭い。だから、ダンベルプレスで深く下ろしている人ほど、換算値よりもベンチプレスの重量が伸びる傾向があります。
また、ハーフレップスのように浅い可動域で回数を稼いでいると、実際よりかなり高めの換算値が出てしまいます。「ちゃんと胸まで下ろせているか」は常にチェックしたいところです。
落とし穴2:セット数の影響を考えているか?
これ、意外と見落とされがちなんですが、3セット目以降も同じ回数をキープできる人と、後半にガクッと回数が落ちる人では、当然筋持久力に差があります。
ある考え方では、同じ重量を複数セットこなせる人は疲労耐性が高いと判断して、換算値を最大10%程度上乗せして評価してもいい、とされています。セットを重ねても回数が落ちにくい人は、それだけベンチプレスの潜在能力も高い可能性があるわけです。
落とし穴3:フォームの未習熟
ダンベルプレスばかりやってきた人がいきなりベンチプレスをやると、バーの軌道やブリッジの感覚がわからず、思ったように重量が挙げられないケースがあります。換算値にとらわれすぎて最初から高重量に挑戦すると、ケガのもとです。ベンチプレスデビュー直後は、まずバーのみの20kgでフォームを固めてから徐々に重量を上げていきましょう。
あなたのレベルはどのくらい?ダンベルプレス重量の目安
「そもそも自分のダンベルプレス重量って、客観的に見てどれくらいのレベルなんだろう?」という疑問にもお答えしておきます。体重別に筋肉量が変わるため、ここでは体重比でレベルを考えます。
- 初心者レベル:片手で10kg前後(体重50kgの人なら10回で体重比0.2程度)。まずは正しいフォームを身につけるステージ。
- 初級者レベル:片手で体重の約30%を10回。たとえば体重70kgなら片手20kgくらい。見た目にも胸に筋肉がついてきたと実感できる頃。
- 中級者レベル:片手で体重の約50%を10回。体重70kgなら片手35kg。ジムの中でも「結構やってるね」と言われるレベルです。
- 上級者レベル:片手で体重の約80%を10回。体重70kgなら片手56kg。ここまで来ると胸の厚みも十分で、ベンチプレスでも100kg越えが見えてきます。
実用的な簡易換算式のススメ
「計算がめんどくさいからもっと簡単な目安がほしい」という人のために、パーソナルトレーナーの現場でも使われるシンプルな式を紹介します。
ベンチプレス重量 = ダンベルプレス片手重量 × 2 + 10kg
たとえば片手25kgなら25×2+10でベンチプレス60kg。先ほどの2.4倍換算とほぼ同じ結果になりますし、暗算しやすいのが魅力です。ジムでサッと換算したいときに覚えておくと便利ですよ。
ダンベルプレスからベンチプレスへ移行するときの注意点
換算値である程度の目安がわかったら、実際にベンチプレスに挑戦したくなると思います。でも、ダンベルとバーベルでは動作の質がけっこう違うんです。
まず、ベンチプレスではバーの握り幅が重要になります。広すぎても狭すぎても力が入りにくいので、肘が90度になるくらいの幅を基準に調整しましょう。それから、ベンチプレスではブリッジ(胸を張って背中をアーチ状にすること)を作ると高重量を安定して挙げやすくなります。ダンベルプレスではあまり意識しなかったポイントかもしれません。
また、バーベルは一度挙げ始めると途中でやめにくい構造なので、限界を狙うときは必ずセーフティーバーをセットするか、信頼できる補助者についてもらってください。ひとりでやるときは無理せず、余裕のある重量で回数をこなすほうが安全です。
換算表をトレーニングに活かすために
ダンベルプレスをベンチプレスに換算する目的は、「数字の比較を楽しむ」だけじゃなくて、自分の弱点や伸ばすべきポイントを見つけることにもあります。
たとえば、換算値よりも実際のベンチプレスが明らかに軽い場合、体幹の安定性やバーベルの軌道に課題がある可能性が高い。逆に換算値よりベンチプレスが重いなら、ダンベルプレスのときの可動域やフォームに改善の余地があるかもしれません。
お互いの種目の特性を理解して、補完し合いながらトレーニングできると、胸の成長はもっと加速します。
まとめ:ダンベルプレスをベンチプレスに換算して自分の実力を知ろう
改めておさらいすると、ダンベルプレスからベンチプレスの換算は「片手重量×2.4」が基本線で、10RMからMAXを出すなら「片手重量×3」が目安です。
ただし、可動域やセット数、フォーム習熟度によって数値は変動するので、換算値はあくまで「参考値」くらいに捉えておきましょう。そしてベンチプレスに挑戦するときは、まず軽い重量でフォームを固めることがケガを防ぐ最大のポイントです。
ダンベルプレスをベンチプレスに換算する知識をうまく使って、あなたのトレーニングライフをもっと充実させてくださいね。

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